月別: 2017年11月

「食べる」コントロールが不能になる「摂食障害」

誰だって、「スタイルがよくなりたい」と思いますよね。でも自己流ダイエットには、大きな落とし穴が潜んでいる場合があるのです。

食べるという行為をめぐって、心と身体のバランスが崩れる病気を「摂食障害」といいます。アメリカ精神医学会が発行している『精神障害の診断と統計マニュアル』によると、大きく次の2つに分けられます。

神経性食思不振症

①制限型…食事を極端に制限し、体重が標準の85パーセント以下に減少し、月経周期が3回以上欠如する

②排出型…痩せの期間に規則的にむちゃ食いをし、そのあとに自己誘発性嘔吐や下剤乱用を行う

神経性大食症

食欲の抑制が利かず、過剰に摂食。肥満になりやすい
両タイプとも男女の出現率は1:20で圧倒的に女性に多い疾患です。神経性食思不振症はかつて「思春期痩せ症」とも呼ばれ、成熟拒否から生じる柯態とされていました。しかし、今ではダイエットがきっかけで発症するケースが大変増加しています。

摂食障害は先進国都市部で多くみられる文明病の一つです。周囲の期待に応えようと何事も徹底して努力する優等生タイプの人に多く、食欲という本能を厳格にコントロールしようとするため、24時間「食べたい。でも太るのが夘くて食べられない」というせめぎあいが起こり、心と身体、生活に支障をきたしてしまいます。

ひどい痩せの患者さんの中には、不整脈、低血糖、貧血や免疫力低下による感染症を発症したり、骨粗鬆症や脳萎縮を引き起こす人もいます。

摂食障害からの回復は、困難な場合も少なくありません。しかし食べること以外に一生懸命になれるもの、自己実現ができる方向が見つかると、それを頼りに回復していける人もいます。

余分な脂肪を減らすダイエットももちろん大切です。でも健康を損ねては、元も子もありません。肩の力を抜いて、気楽に優雅に、心も身体も、健やかで豊かになるようなダイエットを目指しましょう。

ダイエットは健康的にストレスなく時間をかけてじっくりと行うことが一番の方法です。ストレスフリーのダイエット法は https://xn--b9j5a6fv81rqq1assd.com/ を参考にするといいと思います。

また、「少食なのに太る」という方がいます。「水を飮んでも太る」「空気を吸っても太る」と言いつつ、たいていの場合、ちょこちょこ間食するなど、気づかないうちに食べ過ぎている方がほとんどです。まずは自分が何をどれくらい食べているか、正確に把握してみてください。

ただし、中には過剰摂取していなくても太るケースがあります。その場合、食べ過ぎと運動不足を主な原因とする「単純性肥満(原発性肥満)」とは異なり、「症候性肥満」と分類され、何らかの病的原因が存在していると考えられます。

「症候性肥満」の例はこちら。

1視床下部性肥満

食欲をコントロールする脳の一部(視床下部)の異常による食欲異常、先天的なもの、後天的障害の場合がある

2内分泌性肥満

甲状腺疾患や副腎疾患などによるホルモン異常が原因の、代謝低下による肥満

3薬剤性肥満

ステロイド(リウマチやぜんそく、アトピー性皮膚炎などの冶療薬)や、向精神薬の使用による肥満

4遺伝子異常による肥満

これら明らかな病的原因が存在する「症候性肥満」は、通常の食事療法や運動療法だけでは効果が上がらない、あるいは生活改善そのものが無理なケースも存在します。
「症候性肥満」の中で最も多くみられるのが甲状腺機能低下症(橋本病)です。この疾患による体重増加は、厳密な意味での肥満(体脂肪の過多)だけではありません。脂肪以外の物質の沈着や、便秘傾向からの体重増加、また胸水や腹水が見られることもあります。

一方、甲状腺機能の低下によって意欲減退、無気力など「うつ」と類似の精神症状が出現することもあり、誤診されることもあります。

そこで肥満外来では、初診時に必ず「症候性肥満」の識別診断を行うのです。「症候性肥満」と診断されると、原疾患の冶療が最優先されます。

ちなみに橋本病の冶療の主体は薬物療法です。薬剤の調節がうまくいき、体内の甲状腺ホルモンの数値が正常に回復してくれば、心身の諸症状、また「過体重」も治まります。